※この記事はroundabout journalのレポート企画に参加しています。
本日行われた、デザイニング展公式イベント・transmission#001 KICK OFF。 テーマは「今、何をデザインしようとしているのか?[東京/地方・メディア/ローカリティ]」。 デザイニング展主宰の建築家・井手健一郎氏とROUNDABOUT JOURNAL主宰の建築家 ・藤村龍至氏がスピーカーとしてそれぞれの建築設計以外の仕事についてプレゼ ンし、テーマに絡めて共通項・差異を見つけていく流れだった。 モデレーター(司会)は平瀬有人氏(建築家/佐賀大学准教授)で、 コメンテーターは松岡恭子氏(建築家/東京電気大学准教授)。 最初の発表は井手さんからデザイニング展について。 話の中のキーワードを抜いてみると、 「伝え方をつくる」―デザイニング展とテーマは「今、何をデザインしようとしているのか?の共通点 「今何をデザインしようとしているのかを伝える」―デザイニング展とは 「一般の人と作り手のデザインに対するギャップを埋める」―デザイニング展の目的 「デザインは等価である」―井手氏のモットー といった言葉が挙がっていた。 2つめの「今、何をデザインしようとしているのか?」はそのまま今日のテーマとなっている。 また、松岡さんからのコメントでは、デザイニング展のINGについて触れ、 デザインの「速度」という今日の重要なキーワードが出てきた。 福岡の「速度」=距離÷時間は、距離が短い(身近)ためにゆっくりしており、 ゆえにデザイニング展も5日間から13日間といった日常に近い期間へと移っていったのだろうと松岡さん。 次の藤村さんの発表は井手さんよりさらにキャッチーだった。 「議論のアーキテクチャーを設計する」 「本当に主張したいことは何かを考える場」 「表層vs深層」 「愛と力」 「新しい議論の平面をつくる」 「地方とメディア」 など、他にもキーワードであろう言葉が次々と出ていた。 とはいえ、これらはROUNDABOUT JOURNALの活動に注視していた者にとっては目新しいものではない。 よりキャッチーであるという点もメディアづくりとは必然的に言語づくりなのだから当然か。 松岡さんは藤村さんの活動について ・媒体を固定していないこと(タブロイド/雑誌/ライブ) ・アナログに落とすことをデジタルに速度をあげて行っていること ・共通の言語/平面をもっていること ・プロセス/発表することをデザインしていること を高く評価されていた。 特に、藤村さんの作品集にプロセスが詳細に書かれている点については、 「建築」≠「建物」であり、「建築」=「概念」だとすると =「フィルム」といってもいいのかもしれないと発言。 発表のあとは、平瀬さんも交えながら、お二人の活動の共通点・差異を見つけていく作業だった。 端的に言うと、お二人は同じ問題意識から生まれているが、場の違いからアウトプットの形式が異なる、ということだった。 場とは、福岡/東京である。 ここで私見を入れると、地方/東京と記載するのは正しくはあるが、 誤解がでるだろうと思って福岡/東京とした。 それはお二人は地方/東京を二元論で考えていないからだ。 東京も東京で一つの特色ある地方、らしさを求める地方と捉える。 福岡らしさ、大阪らしさ、広島らしさ、東京らしさ、北海道らしさ・・・。 多くの地方の1ケースとして東京も福岡もフォーカスされるべきであり、 そうするからこそお二人はこのような活動に至ったのだと思う。 藤村氏が見るに 福岡―ダイレクトに社会に接続しようとしている 東京―まずメディアにつながろうとする という点が特徴とのこと。 一福岡人として、「ダイレクトに接続」する意識が自分にあるかあまり実感がわかなかったが、 確かに福岡のコンパクトさゆえに、結果ダイレクトになった経験は多い。 それこそ、デザイニング展で今回デザイニング学生展をイムズの地下2階というあまりに大衆的なスペースで 開催させてもらっているが、これも藤村さんのいうダイレクトな接続なのだろう。 ここまで、多くの共通点があった井手さんと藤村さんだが、 今後の展望については若干の差異があった。 井手氏・・・ひたすら福岡で建築/デザインを伝えていく作業をしたい。 藤村氏・・・私達の主張したいことは何かを議論したい。 伝えていきたいとする姿勢は同じだが、 井手さんの場合はぼやけた言葉だが「デザインのおもしろさ」を伝えるという目的語があり、 対して藤村さんは「何か」と断定しない。 これも福岡/東京の差異なのか。 東京―メディア―強い影響力にとって目的語を断定することは危険なことかもしれない。 ゆえに、藤村さんも途中言っていたように、 「自分達が頑張って色々してやっとできた!ということを福岡でならすぐできましたよ、ということになるかもしれない」(少し言い回しが異なるかもしれません) 福岡の程よいスケール感が物理的な移動だけでなく、議論すらもスムーズに動かすだろうという指摘は福岡人にとって非常に重要なアドバイスだ。 最後に松岡さんから今日をまとめるキーワードとして 「建築の社会性」が挙がった。 そこに落ち着かれると、今日のトークの解釈が私にとって一気に難解になってしまうのだが、 井手さんがざっくりと「建築を好きになる人がもっと増えるといいな」 とおっしゃったのを社会性に置き換えていいのなら、このトークイベントの意味を少しは把握できたはずだと思う。 以上、駆け足気味に書いたが、イベント自体の感想を少し書くと、 観客側からも質疑で出ていたが、天神(繁華街)のイムズという商業ビルの真ん中で、 建築の議論をするという行為はもっと繊細に行うべきことであったかもしれない。 繊細とは別に机のディテールが云々ではなく、例えば、オーロラビジョンの使い方だったり、 立たせるにしても動線と観客位置の関係であったり。専門用語の使い方だったり。 議論を見せるという点の魅せ方が少し不足していたように思う。 ダイレクトな福岡という論点からいくと繊細さは必要ではないのかもしれないが、 大衆をひきつけるような魅せ方、大衆が建築にわくわくするように仕向ける手法について 今後はそれこそ設計が必要だろう。 しかし、商業ビルの真ん中で大勢のお客さんに見られながら、 教室のように建築の議論をメモするという体験は非常に刺激的でした。 この場を借りて4名の話者にお礼申し上げます。 明日以降もトランスミッション、楽しみにしています。 発表時はお手柔らかに・・・。
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urban design blog from Fukuoka
by tottoko_yk | ||||||